プラント(工場設備一式)輸送
プロジェクト発足の背景
きっかけは、弊社のLCLサービスを定期的にご利用いただいている部品製造会社様からいただいたご相談でした。
弊社はCFS-CFS間の輸送を主軸とする海上混載輸送業者として認知されていましたが、日頃のお付き合いからベトナム・ハノイ工場の製造ラインに設置する大口機械のFCLかつDoor to Door(*)の輸送というこれまで手掛けたことのない輸送に関してもお声掛けいただきました。
*Door to Door:荷送人の戸口(ドア)から荷受人の戸口(ドア)まで、単独の運送人の責任と料金で、一貫して輸送すること。
初めての輸送案件で直面した課題
海上輸送のみならず、日本側での引き取りから通関、現地工場での設備機械設置まで、輸送の一部始終を一貫して請け負うご案件で、これは弊社として初めてのことでした。
日本側でのコンテナ引き取り、輸出通関手配、輸出貿易管理令の確認、梱包、現地側でのプラント設置を見据えたLoading plan(*)決めなど、日本国内のみならずベトナムの当社代理店や各方面における協力会社との横の連携が必要となる大掛かりなプロジェクトであり、同時に、世界中で猛威を振るう新型コロナウィルス感染症が輸送業界にも影響を及ぼしており多くの困難が予想されました。
*Loading plan:コンテナ内にどのように貨物を積載するかという計画のこと。
*輸出貿易管理令 : 輸出相手国及び大量破壊兵器や武器の開発につながる恐れのある機器や原料の輸出を規制する法令
プロジェクトに携わる中で得た気づき
新型コロナウィルス感染症拡大の影響により海上運賃が短期間で高騰するなどマーケットが読みづらい状況となり、また日々悪化する現地の港湾状況やロックダウンを考慮する必要もあり、何もかもが流動的でした。そんな中でも、実際に輸送する設備機械の下見に行ったことでスケールの大きさを実感することができました。
また、この設備機械で製造された部品は、偶然にも私が将来購入を決めている憧れの車に搭載されるものであることを知り、依頼をいただいたお客様はもちろん、エンドユーザー様の顔が浮かび、プロジェクトを成功させたいという気持ちが更に大きくなりました。
コロナ禍でのプロジェクト進行
実際に案件が動き出したのは感染症流行の真っ只中でした。
コンテナ輸送の需給が逼迫し船会社様のスペースが約束されていない状況であったため、前広に輸送スケジュールを確認しご提案いたしました。
また、お客様とコミュニケーションを密に取ることでご商品の生産状況を迅速に把握し、生産日程に変更の可能性があればその都度輸送スケジュールを改めてご提案いたしました。
輸送遅延やベトナム側のロックダウンも考慮し、可能な限り輸送日数を短縮し、より早く現地へご商品をお運びできるように協力会社と連携しベストを尽くしました。
日本側では商品引き取り、梱包、バンニング(*)まですべての作業に立ち会い、お客様へタイムリーにご商品の状態や輸送状況を報告しました。
最終的にハノイ工場への搬入が無事完了し、案件は終了しました。
本来であれば現地工場への搬入に合わせて立ち会い、最後の最後まできちんとサポートさせていただく予定でしたが、コロナ禍でハノイへの出張は叶わず、そこがとても残念でした。
*バンニング:コンテナ内に貨物を積載する作業のこと。
次のステージへ
このプロジェクトを成し遂げた事により、新たな輸送案件に取り組んでいきたいという思いが一層強くなりました。弊社キャッチコピー「~さあ、次はなにをやってみようか~」を胸に、輸送という分野で社会とお客様に貢献し続けていきたいと思っています。