これまでアメリカ向けの冷蔵輸出には、物量に関わらずFCLか航空便の2種類しか選択肢がありませんでした。
FCLはコンテナ1本分のスペースを確保するため、貨物量が少ない場合でも余ったスペース分に費用がかかってしまうことになります。一方、航空便は少量・小口に対応するものの、船便よりもコストは高くなります。
そこで私たちセイノーロジックスは、少量や小口の貨物でも物量に応じたコストで輸送したいというお客様の声にお応えして、混載業界で初めてアメリカ向けの海上輸送による冷蔵混載サービス（ひんやり混載サービス）を開始しました。
温度管理が求められる日本の食品をアメリカへ輸送する新しい選択肢として、お客様のご参考になれば幸いです。
お客様の状況と課題
・アジア各国へ日本茶を輸出している
・海外での日本茶ブームの高まりも手伝い、海外輸出量が過去10年で2倍に
・アメリカにも美味しい日本茶を届けたい
多様化するニーズに寄り添う挑戦
2014年にJETROが海外6か国で調査したアンケートでは、好きな外国料理の1位が日本料理でした。この結果からも日本料理の人気の高さが分かりますが、実際にこの10年で訪日外国人数もさらに増加しています。訪日経験のある外国人は、日本で食べた本格的な日本料理を自国でも味わいたいという声も増え続けています。
私たちセイノーロジックスと、アメリカ代理店であるCaroTrans International Inc.（以下、CaroTrans）は「物量に応じたコストで輸送したい」というお客様の声に応えるため、アメリカ向けの冷蔵混載サービスを実現いたしました。
厳しい基準をクリアする最新倉庫
CaroTransの現地ネットワークがLAに新設した冷蔵・冷凍倉庫を利用することで、本サービスの開始に至りました。
LA近郊には冷蔵・冷凍倉庫が点在していますが、滞りなく冷蔵混載サービスを承るには、保税倉庫であることが絶対的な条件でした。LAの冷蔵CFS倉庫も当初は保税倉庫ではありませんでしたが、日本からの冷蔵混載サービスを心待ちにしている方々からのご要望が増加していることを伝え、同倉庫の保税ライセンス取得を後押ししました。
また、この冷蔵CFS倉庫は保税倉庫としての基準を満たすだけではなく、FDA（アメリカ食品医薬品局）の認証検査倉庫としての基準も満たしています。FDAの厳格な基準を満たすには、温度や清掃プロトコルの管理から、倉庫内外設備投資・設置など、さまざまなハードルを越える必要があります。FDA認証検査倉庫であるため、万が一貨物がFDA検査対象になった場合にも、同倉庫で検査を受けることが可能です。別の検査場へ横持ちする必要はありません。
CaroTransと私たちがともに取り組み、保税とFDAが揃った最適な現場環境の整備をようやく実現することができました。
お客様のアメリカ進出をサポート
アメリカ向けの食品等に必要な手続きやラベル表記など複雑なFDA認証についても、米国法規制に精通したコンサルティング会社を日本でご紹介することが可能です。
また日本側での通関やパレタイズ作業にも対応可能で、お客様のアメリカ進出のサポート体制を整えております。
アメリカ向け冷蔵混載サービスご利用事例
2025年1月、お客様のご商品は日本から出発して予定通りにLAに上陸しました。コンテナピックアップからデバンニングまでスムーズに行われ、お客様に無事お渡しすることができました。
日本茶は味と香りはもちろん、その美しい色も海外で高く評価されています。茶葉にもさまざまな品種やグレードがあり、その品質を保つためにそれぞれ「常温／冷蔵／冷凍」と求められる管理が異なります。
今回は低温管理が求められる商品のため、弊社のアメリカ向けひんやり混載サービスをご利用いただきました。
ドライコンテナでの輸送はコンテナ内部の温度が40℃以上になることもありますが、ひんやり混載サービスのコールドチェーンは徹底した温度管理で提供しており、きめ細やかな温度管理が必要な商品に最適のサービスです。
今後さらにサービスを拡充予定
アメリカ向け冷蔵混載ルートが実現したことで、これまで日本酒、茶葉、菓子類や白米など温度管理が必要な飲食物を輸出する際にFCL・航空便を利用していたお客様からも続々とお問い合わせをいただいています。
FCLよりも柔軟に、航空便よりもコストを抑えて輸送したいお客様には、便利にご利用いただけるサービスです。パレタイズや通関作業のご依頼についてもお気軽にご相談ください。アメリカ向けひんやり混載を選択肢のひとつとして、ご検討いただけますと幸いです。
現在はアメリカ向け冷凍混載サービス（ばりひえ混載サービス）の第1便が出港に向けて準備中です。ドライコンテナから冷蔵・冷凍まで、アメリカ向けの混載はセイノーロジックスにぜひおまかせください。
